余計な苦労をかってでる

好きなことやそうでないことを無茶苦茶書いてます。

孤舟のレビュー

渡辺淳一の孤舟をよんだ

孤舟




これから新卒で働こうかという人間が読むものではないかもしれないが
念には念をだ

内容は
仕事に没頭してきた男が定年を迎え、思わず出来た暇な時間をもてあまし自分を見失い、
あげく妻や娘に煙たがられるも、何とか自分を取り戻していくというもの。

大手広告代理店の役員を務めた主人公は、団塊の世代ということもあってかプライドが高く気難しい。
60歳を迎える前に社長待遇での子会社への出向を命じられるが、気に入らず拒否し、会社をあっさりと辞める。

退職後は稼ぎがなくなるので、それまでのような贅沢な暮しも出来なくなる。
それまで赤坂や六本木で飲んでいたにもかかわらず、急にガードレール下の安居酒屋で飲むよう、財布を握っている妻に言い渡されてしまう。

会社を辞めたことで、自分に何の価値もないように思えてしまう男のお話だ。

この主人公の価値観は基本的に、それが自分にとって有意義か、つまり出世や仕事に役に立つか、というものだ。
だから、妻が近所のスクールにヨガを習いにいったり、自分にも何かやるように勧めても、気が乗らない。なぜなら、もはやそれをやっても何の意義も見出せないからである。
例えば囲碁と俳句が彼の趣味であり、定年後はそれに没頭しようと思っていた。

しかし、よくよく考えればそれらは上司や取引先との話のネタに使うものであり
そのものを楽しめと言われても彼には無理なのだ

結局妻と別居状態になりなんにも楽しめなくなったため、デートクラブに金をつぎ込む主人公
あんまりな展開だと思ったが最後には一応救いがある。よかったな、威一郎。


まとめ
①意義とか関係ない、趣味をもとう。
②長く付き合える友人は大事
③家事をすこしはやりましょう。
④ペットは最後で最高の癒し。